生活
チャリンコ、チャリン、チャリン。 ちょっとそこまで。チャリン、チャリン。 自転車漕いで。チャリン、チャリン。 夏は暑く、冬は寒い。 そんな当たり前のことを当たり前に感じながら。 そんなに遠くまでは行かないから、スピード出なくても電動付きじゃなく…
こびりついた匂いと記憶をまっさらに。 あなたの匂いを消すことにした。 いろいろ迷ったけれど、私の決心。 見えなくなったとしても残る、あなたの匂い。 そのたび、あなたを思い出してしまうから。 私にとっては甘い香り。 ほかの誰にもわからない。 あなた…
これから先の懐かしさを。 アベさんの手、いい匂いがするね。 カオリは鼻をくんくんさせる。 そう? うん。それに手もキレイ。 そう? アベは思わずニヤつく。 香水つけてる?どっかで嗅いだことのある匂い。 カオリはもう一度鼻をくんくんさせる。 つけてな…
天日干しよりきっと気持ちいい。 ぐるぐる回る。 音を立てて、右へ左へと回る。 乾燥機の無機質な機械音が響く。 乾燥機の音も匂いも好きなんだ。 はじめて会ったとき、僕は君にそう言った。 私も。 君は笑ってそう言った。 機械音をかき消すように語り合い…
押しては引いて、引いては押す。 私の魅力がわからない人なんているのかしら? 自惚れているわけじゃない。 ただ、そう思うだけ。 人だけじゃない。 猫だけでもない。 犬だって、そう。 喜び庭駆け回ることなんてさせない。 誰だって、私の虜にしてみせる。 …